- 値上げに対する心理的な壁を乗り越える
- 生成AIで客観的なデータを集める
- 自社の数字から必要な値上げ率を計算する
2026年7月29日、東京商工会議所品川支部で開催された価格交渉セミナーに登壇しました。
テーマは、**「なぜ、あの会社は価格交渉に成功しているのか?――『取適法』と『生成AI』で実現する、納得の価格交渉術」**です。
原材料費、人件費、エネルギー価格などが上昇する一方で、「取引先との関係が悪くなるのではないか」と考え、価格交渉に踏み切れない中小企業は少なくありません。
今回のセミナーでは、2026年1月に施行された中小受託取引適正化法(取適法)と生成AIを、実際の価格交渉にどう生かすかをお話ししました。
受講者アンケートでいただいた声
セミナー後のアンケートでは、説明の分かりやすさや内容の実践性について、次のようなご感想をいただきました。
- 非常にロジカルに説明されていた
- 価格交渉のポイントが分かりやすく、自分ごととして捉えやすかった
- 具体的な手法を学べた
- 疑問点を整理する方法が分かった
中でも、次の言葉が印象に残りました。
値上げに対するマインドリセットができた
私が今回、特にお伝えしたかったことの一つです。
1.価格交渉への心理的な壁を乗り越える
価格交渉をためらう背景には、「値上げをお願いするのは申し訳ない」という思いがあります。
しかし、採算の合わない価格を続ければ、品質の維持や従業員の賃上げ、設備の更新が難しくなります。
価格交渉は、一方的に要求を押し通すことではありません。取引を続けるために、コストの変化と適正な取引条件を双方で確認する協議です。
取適法も、希望した価格を必ず認めてもらえる法律ではありません。法律を振りかざすのではなく、根拠を示して協議を求める際の後ろ盾として理解することが大切です。
2.生成AIで客観的なデータを集める
価格改定を検討してもらうには、自社の事情だけでなく、原材料価格や人件費、業界動向などの客観的なデータが必要です。
生成AIを使えば、公的統計の候補を探したり、交渉資料や依頼メールの下書きを作ったりできます。
ただし、AIが示す数字や出典をそのまま使ってはいけません。必ず元の資料を開いて確認します。また、顧客名、契約内容、現在の取引単価などの機密情報を安易に入力しないことも重要です。
AIには調査と下書きを任せ、数字の確認と交渉方針は人が判断します。
3.必要な値上げ率を自社の数字から計算する
原材料価格が20%上がったからといって、販売価格も一律に20%上げればよいとは限りません。
必要な値上げ率は、それぞれのコストが売上高に占める割合と、その上昇率から計算します。原材料費だけでなく、人件費、外注費、エネルギー費、今後必要となる利益も含めて考えます。
最初から精密な取引先別原価を作るのが難しい場合は、まず決算書の損益計算書から全社平均を概算します。
交渉前には、希望する改定率に加え、段階的な改定案と、これ以上は譲れない下限も決めておきます。複数の着地点を準備しておけば、相手の回答を聞きながら落ち着いて協議できます。
数字を準備することが、最初の一歩
価格交渉では、話し方だけでなく事前準備が結果を左右します。
まずは自社の損益計算書を確認し、どのコストが、いつから、どの程度増えているのかを整理するところから始めてみてください。
今後、この活動報告でも、交渉資料の準備や必要値上げ率の計算方法を具体的にご紹介していきます。
価格交渉に必要な数字や資料を整理したい方は、お問い合わせフォームよりご相談ください。
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